生と死について

僕が実家で飼っている犬はもう12歳ぐらいになる。これは人間の歳で言うと、60を超えているらしい。所謂、老犬です。僕は今アメリカに留学していて、帰国が5月頃なので、当然彼とは会えない日々が続いています。

先日、実家に電話したところ、彼は最近あんまりはしゃがなくなったそう。何でも、ソファーの上からコロッと落ちた時に足の具合が悪くなったらしい。僕はそれを聞いて「ああ、もう彼とはもう長く過ごせないんだな。」と、漠然に死を考えていたら泣いていた。今朝もふと考え始めてしまい、泣いていた。

彼とは僕が小学生からの仲間だ、そして立派な家族だ。そんなことを考えていたら、「どうしてもっと遊んでやらなかったんだ。今すぐにでも抱きしめたい。」と、やり場の苛立ちや、どうしようもない願望が浮かんでは消え、浮かんでは消え、いざ、現実に目をやると、僕には何も出来ることがないという事実にぶち当たる。

どうやら僕には現実を受け入れるしか道はないらしい。ただ、今の僕に彼の死を受け入れられる器量があるかわからない。無いかもしれない。身内の「死」がこんなにも重いものだとは思わなかったからだ。


なあ、お前は本当に僕たちと一緒に過ごせて幸せだったかい?
なあ、教えてくれよ。
なあ、頼むから。